「やる気」の作り方

仕事も勉強も、自分のやる気やコンディションにお構いなく毎日やってきます。そこから逃げる事は出来ず、やる気のないまま仕事をしてミスをして、やる気のないまま勉強をして全然身に入らなくて。

こんな経験、誰しもお持ちなのではないでしょうか。

やる気が持てて、前向きに仕事勉強に取り組めれば効率も上がり、結果もよくなります。もしかしたら時間も短縮され、自分の時間や睡眠時間の捻出も出来るかもしれません。

今回はそんな、人生を変える要因ともなり得る「やる気」についてご紹介します。

やる気を理解していますか

突然ですが、問題です

以下のうち、脳科学的に最もやる気が引き出されるシチュエーションはどれでしょう。

①常連顧客と、通常のルーチン業務について打合せをする
②常連顧客と、新規商品開発について打合せをする
③新規顧客と、新規商品開発について打合せをする

いかがでしょうか。

恐らく③と思われた方が多かったのではないでしょうか。人の考え方、感じ方には個人差がありますし、絶対にこれが正解!と言い切れる訳ではありませんが、ここでの正解は②です。

③の状態は、重要な案件を任され責任感を感じ、自分や会社の未来を思い描きワクワクしている状態かと思います。とてもテンション、モチベーションは高い状態です。

しかし、ここで引き出されているやる気というのは、自分の仕事一つで新規顧客を失いうる、新規商品が失敗した時の損失が大きい、という恐怖が基になっています。

この時、脳は確かにハイテンションなのですが、やる気過ぎる状態、過剰に興奮している状態です。

気持ちとしては、いつも以上にいい仕事が出来そうな感じがしています。しかし、冷静な状態ではないので、周囲の状況に目を向けたり、正常な判断が出来なくなっている可能性が非常に高いのです。

そして、興奮状態ですので、それなりの仕事をしただけで、すごく頑張ったような錯覚に陥ってしまいます。

このハイテンションを、やる気が出た状態だと認識してしまってはいないでしょうか。

また、恐怖に対してはいずれ慣れが訪れます。恐怖に慣れ出すと、より強い恐怖が訪れないと同じように脳は興奮しなくなります。

③の全く新しい環境がやる気になる、と脳が認識してしまうと、同等かそれ以上の恐怖を与え続けなければやる気は継続しなくなり、現状の変わり映えのしない仕事や勉強に対してのやる気は一切起きなくなってしまいます。

やる気が起きないからと、色々なチャレンジをするも上手くいかず、自分をやる気にさせる事が目的になり、ある時突然その目的へのやる気もパタっとなくなってしまいます。

発達の最近接領域

最も理想的にやる気が引き出されるのは②の半分は既に知っている状況だけど、残りの半分は未知の領域というシチュエーションです。

この理論のもととなるのは、ロシアの心理学者レフ・ヴィゴツキーによって提唱された「発達の最近接領域(zone of proximal development:以下ZPD)」です。

これは「精神の発達において①自分だけで出来る領域と③自分では不可能な領域がある。そして①と③の間には②他者の力を借りれば出来る領域があり、この領域が最も発達成長の可能性を含んでいる。※発達は子供で終わるのではなく一生涯続く物である」という物です。

自己完結出来る処理ばかりでは発達は見込めず、自分では全く出来ない物ばかりでも投げ出すしかなく発達は見込めない。そうすると達成意欲、やる気も起きない。

やる気を起こす為にはこのZPDにあたる課題に取り組み続けるべきである、という事です。

つまり、課題の50%が未知の冒険になるように、取り組む課題を設定するのが理想となります。

しかし、仕事の課題はなかなか自分では決められません。多くは、上司や取引先から与えられる物です。他者の都合に合わせながら、自らを発達させ、やる気にさせるシチュエーションを作る必要があります。

50%を既知の体験とする為には、体験の1つ1つを確実に自身の経験としていく必要があります。些細な経験だったとしても、その組み合わせ次第で、どんな新しい場面にも50%の経験があるZPDにする事が出来ます。

体験を経験にする為には「睡眠」と「反復」が重要になりますが、長くなってしまうので、解説は別記事にてご紹介します。

長期的に、やる気を起こせるサイクル、状況を作っていく。「今、やる気が欲しいんだ」という場合すぐに実践出来るかは分かりませんが、このような事を意識することで日々の生活が、仕事や勉強の取り組み方が変わるかもしれません

最終手段「動く」

うだうだ文句を言わず、とりあえず動く

散々、脳が~理論が~とか言いながらなんだこれ!と言わないでください。もうちょっとだけ読んでください。

やる気が出ない ⇒ やらない

というのが心理的な流れだと思うのですが、なんとやる気を司る側坐核は、何かをやり始めないと活動しません。ハイ、ここテストに出ますよ。

側坐核からドーパミンが出て、それがやる気の元となるのですが、側坐核に刺激が与えられないとドーパミンが分泌されません。

刺激というのは簡単な作業等で構いません。書類の整理をする、簡単な日報やメールを作る、計算問題を解く、単語の暗記をする。何でもいいので、ハードルの低いところから、まず始める。これが結局1番のやる気スイッチだったりするのです。

積極的に動く事で、得る物は10倍違う

たとえば、ネズミのヒゲ。

動物のヒゲは非常に敏感で、ネズミのそれも例外ではありません。あのヒゲには人間の人差し指と同じくらいの感度があると考えられています。なので、人がそうである通りちょっと物に触っただけで、それがザラザラしているのか、ツルツルしているのか、そんな判断も出来るようです。

何故、そんな判断が出来ているって分かりるのかというと、ヒゲに対応した脳部位にあるニューロンを測定した際に、ザラザラした物とツルツルした物を触った時の反応パターンが異なっていたからです。

ここからが本題なのですが、この実験においてヒゲに物を当てようとした際、ネズミが自分からヒゲを動かして触りに来る事があります。恐らく自ら、どのような物体か判別しようと積極的に動いていると思われます。

この時の脳(ニューロン)の反応が、受動的に触られた時よりも10倍程強いという結果が出ています。

情報収集をしている時、勉強をしている時、人の話を聞いたり授業を受けて受動的にそれを得るよりも、自分自身で身体を動かして、積極的にその情報や知識を得に行く事で脳が敏感に反応します。

「動く」という事は、ドーパミンを分泌させるという意味からも、脳を積極的に動かすという意味からも、非常に理に適っており、大切な事なのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

やる気は作る事が出来ます。そしてそれを作るのは自分にしか出来ず、自分でする事で作業の効率が何倍にもなる、という事がお分かり頂けたののではないかと思います。

いつもいつもやる気で満ち溢れるのは難しいかもしれません。それでも、自分の人生をより良い物とするために、上手にやる気と付き合っていく事は必要です。

このサイトが少しでもそのヒントとなれば幸いです。

爽眠α

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