会社でミスをして100万円の賠償金を負わされた実体験

これは、小さな会社に勤める1社員に起きた本当の出来事です。

身バレの心配もありますし、ところどころフェイクを入れたりボヤかして書きますが、大筋や大事な所はありのままを書いていきます。私自身への今後の戒めとして、そして皆様が同じ過ちを犯してしまわないように、経緯や法的義務、私の対応等々、ここに書き記します。

経緯

発端は私のミスです。詳しくは書きませんが、このミスを犯したのは完全に私の不注意でした。結果として、顧客に(ここ数年内に)数百万円の損害を与える事が(九割九分)ほぼ確定しました。その損害額を自社内にて試算、顧客へ謝罪をした際に上司より「当該金額をお支払いします」との発言。後日顧客へと振込が行われました。

私は普段、売上の4割を成果配分として給与支給されているので「損額も4割負担」という事で100万円以上の賠償金を負い、24回分割で払う事となりました。(といっても、実質支給されているのは3割程なので納得出来る結果ではないですが)

関連法的根拠

こういった場合、従業員は損害賠償金を払わなければならないのか。また、罰金や減給制度というものは会社が好き勝手に出来るのか。私が調べた限りの事をお伝えします。

判例 茨城石炭商事事件

タンクローリーの運転手が前方不注意で交通事故を起こした際の損害の負担割合に関する裁判です。

こちらでは、労働者の損害賠償責任は4分の1までだとされました。

判例 つばさ証券事件

顧客に対する説明不足により、顧客から会社に損害賠償請求がされました。それにあたり、損害賠償を会社が担当従業員に対して請求したといった事案です。

この裁判では、結論としては従業員の賠償責任はなしです。

確かに、注意義務違反が認められる部分もあるが、重大な過失があった訳ではない、との判例です。

いずれにしても、従業員が100%の負担となる事は滅多に無いようです。売上があがってもそれは100%が従業員の手取りとなる訳ではない。そうなのであれば、賠償があったとしても100%が従業員の負担となるのはおかしい、という考え方です。

減給、減俸について

会社は、就業規則における服務規程違反等に対する制裁として減給を規定する事が出来ます。(私のケースでは「服務規程違反の減給」には該当しません)

労働基準法では、この減給について限度額を定めています。それは

①減給の1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならない
②1回の賃金支払期における賃金の10分の1を超えてはならない

という規定です。

①は1回違反があった際の罰金制度のイメージです。日給の半分までは罰金を取る事が出来る。

②は複数回の違反があった際の上限額です。極端な話、40回違反があって罰金を取るとなると 日給半額×40回分=日給20日分 と1ヶ月の給料がまるまるなくなる、という計算になってしまいます。

それを防止するべく「1ヶ月の給料の10%までしか認めないよ」という規定を作っているのです。

ノーワークノーペイの原則

また、似たようなものにノーワーク・ノーペイの原則があります。言葉の通り「働かないなら給料もない」という意味です。上記減給とは違います。

2017年にコンビニアルバイトの女子高生が病欠した際に「病欠したのに代わりを探せなかったペナルティ」として9350円が請求される、というニュースが流れていました。

働いていないので時給が出ないのは問題なし。これはノーワーク・ノーペイの原則。9350円は完全に罰金、減給です。日給の半分までが限度なので、仮に時給900円で5時間勤務だとすると900円×5時間÷2=2250円以上の罰金は法的にアウトです。

気持ち的に腑に落ちない事

就業規則に記載はない

当社には(多くの人間はどこに保管されているかも知らない)就業規則があります。

就業規則というのは「全員がいつでも見る事が出来るようになっている」という状態でないと適用されないので、正直これ自体に効力があるかは微妙ですが。

その就業規則に、賠償関係の文言はありませんでした。ただし、超トップダウンで社長の治外法権状態の会社にとってそんな事は関係なし。「当然、給与から引くから」の一言でした。「当然」なので「就業規則に書いている、書いていない」とか「同意が必要」とかいう考えはないのでしょう。だって当然なのですから。

賠償保険使う手もあったのではないか

当社は責任賠償保険に加入しています。これは「損害賠償を訴えられたら出る保険」です。

今回の賠償は、損害自体がまだ発生していないうえ、発生額も発生時期も、はたまた発生するかも未確定な状態で損害金を前払いしています(発生するか、という点についてはほぼ発生確定ですが)

当然、訴えられていない状態なので保険は使えません。「保険を使いたいので一度、損害賠償請求の書類に押印ください」という訳にもいかなかったとも思いますが、場合によっては保険で賄い切れるケースもあるかもしれません。

大人しく支払いに応じた理由

法的には理に適っている

そりゃあ100万円そこそこなんて社長からしたらはした金かもしれないですけれど、私にも家庭があります。生活の為に作ったローンの支払いもあります。そんな状況でほいほい「あ、100万円の賠償金ですね。了解です」なんて言える程裕福じゃあないんです。

散々理不尽な事を言われ、精神と体力すり減らしながら深夜まで毎日毎日サービス残業して、罰金だペナルティだって給料減らす制度ばかり作られて、そんな中でやっとの思いで手にしてきた給料です。「もともとそれだけ貰ってたんだから」なんて一言で簡単に納得なんて出来ません。それだけ貰うだけの代償は払ってきていたつもりです。

すみません、愚痴になりました。

ただ、そんな激務の中であったとは言え、私の対応一つで未然に防げた損害であるのもまた事実。そして「稼いだ売上が100%従業員に行かない以上、賠償金も100%従業員に行かない」という法的理屈から言って「稼いだ率と同等に賠償金を負う」という一点については理に適っていると思います。

正直、感情は付いて来ていないですが、理屈的にはどうしようもないと諦めている自分もいます。

辞めても賠償は無くならない

上で散々書いているように、ろくな職場じゃありません。正直、もう3年くらいで辞めようとは思っていたところではあるので、これを機会に退職というのも考えました。

が、当社がろくな職場じゃないその最たる原因は、経営者による超トップダウンかつ絶対王政な経営です。「辞める」なんて言い出したら「ふざけるな」と徹底的に怒鳴り散らされ、弁護士挟んでの更なる賠償を求めて来るような事態になりかねません。

どの道辞めるのであれば、二度と関わらなくていいようにして綺麗さっぱり辞めたい事、辞めても賠償金の支払いがある以上、収入源が必要となる事から、辞める訳にも行かず、大人しく仕事を続けて賠償金を払い続ける事としました。

その後

今も賠償金は支払い中です。2020年には転職しようと考えているので、今はじっと我慢の時期だと言い聞かせています。

当社のように「会社:従業員」の収支比率が明示されていると、ひっくり返すのは大変かもしれませんが、そうでないのに半分以上の負担を強いられたりしている際には、法的根拠もなくふっかけられている可能性が高いです。一度、労基や弁護士に相談してみるのもいいかもしれません。

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